人に言えないほど辛いきもちになって、音楽もやめたい、東京もいやだ、と思っていたとき、料理はわたしを救ってくれました。
だけど、ふしぎなもので、料理を通じて出会う方々に、再び歌えるきっかけを与えていただいたこと。感謝しています❤︎
シングルCDを作りました^_^
5/29にリリースパーティーにて、2曲入りCDを先行販売します。
リリース記念イベントを行う場所は、今回のシングル1曲目「フェイクフード」の世界観に合わせて、渋谷にあるライヴハウス「サラヴァ東京」で。
サラヴァ東京は、音楽詩人のピエールバルーさんが作ったフランス最古のインディーレーベルSARAVAHの日本における拠点です。詳しくはこちら。
「フェイクフード」という曲、実はフレンチポップスの作曲家セルジュゲンズブールの曲「唇によだれ」(L'Eau à la Bouche)の歌詞やコード進行も取り入れてつくった曲なんです。
きっかけは、日本の芸術家トースティーと一緒にライブをした時のこと。
知らない曲だったけど、彼女がこの歌を歌うというので、私はピアノ伴奏を担当しました。トースティーはフランス語で歌っていましたが、歌詞の内容が気になったので、あとで調べてみると、とても面白かった。
ゲンズブール本人と思われる男性が、相手のことを好きになってしまい、自分の生理的な現象(「よだれ」と言ってますが、きっと、もっとエロティックなことを暗喩しているのでしょうね)がもうどうしようもない、、、と、正直に説明している歌(笑)!
人間の生理現象を歌にするなんて、言い方によっては「気持ちわるーい」となりそうなのに、あえて正直に、柔らかく、ロマンティックに歌うなんてすごいなあ、と思いました。微妙に繰り返す音程の感じも、ためらいながらも、心をこちょこちょとくすぐろうとしているようで、可愛らしくすてきだなあと。ヴァネッサ・パラディが歌うこんなヴァージョンなんて、最高におしゃれな感じに仕上がっています。
タイ料理教室をするために数ヶ月に一度大阪に行くんですが、その移動中に、よくぽっかりと数時間空くことがあり、そういう時につくった曲のひとつが「フェイクフード」です。初めから意識的にL'Eau à la Boucheのようなものを作ろうと思ったわけではなく、きっと知らない間に影響されていて、似たようなテーマが浮かんできたんだと思います。「これはきっとあの曲の影響だろうな」と気がついたので、それなら面白いから、思い切ってコード進行なんかも取り入れてみようと思いました。
リリース記念イベントには、もちろん、トースティーもゲストにお呼びしました!
ゲストには、トースティーの他にも、サラヴァ東京のプロデューサーであり、シャンソン歌手であるソワレさんもお呼びしています。
また、今回のシングルにピアノで参加してくれた松本鉄平くんは、シャンソン歌手である聖司セミョーノフさんのライブの伴奏をここ数年ずっとつとめているピアニストさんです。彼ももちろん、今回のリリースイベントに出演してくれます。
日本には、タイと同じように、ブルースやジャズ、ロックなんかのアメリカの音楽がとても浸透していて、日本のポップスに大きな影響を与えていますけれど、ソワレさんやトースティーなんかがそうであるように、フランスのポップスを掘り下げ、日本のカルチャーの一部として独自の個性的な世界を表現している方々も多くいるのだな、と最近思うことが多いです。東京にいると、ライブハウスでロックバンドを見るだけでなく、シャンソンのライブを見る機会も増えてきました。
きっと私も知らないうちに、大きく影響を受けていて、今回は、そういうものが滲み出ているシングルとなっているのかも。